佐賀県玄海町の全住民6335人分の個人情報が不正に持ち出された事件で、町個人情報保護条例違反容疑で県警に逮捕された同町元総務課長の中島泰広容疑者(53)=処分保留で釈放=が、女性職員3人の健康診断票を不正に入手したとして同容疑で書類送検されていたことが分かった。中島容疑者は「性的な興味があった」と容疑を認めているという。
書類送検は2月26日付。県警サイバー犯罪対策課によると、中島容疑者は総務課係長だった17年2月、課内に保管してあった女性職員3人の健診票を私有のスマートフォンで撮影し、持ち出した疑いがある。健診票には身長、体重などの個人情報が記載されていた。外部への流出は確認されていないという。
県警は、中島容疑者がウイルス対策ソフトの識別番号を不正に入手し使っていたとして昨年11月、町役場や自宅を捜索しており、不正アクセス禁止法違反容疑でも書類送検する方針。
このほかにも18年2月、不正プログラムを使って「B―CASカード」を改ざんし、自宅のテレビやパソコンで有料放送を無料で視聴していたとして、私電磁的記録不正作出・同供用容疑でも書類送検する方針という。(上山崎雅泰)