佐賀県吉野ケ里町の山中で女性の遺体が見つかった事件で、県警は12日、妻の遺体を遺棄した疑いで逮捕していた無職岡田加津吉(かつきち)容疑者(70)を殺人容疑で再逮捕し、発表した。「間違いありません」と容疑を認めているという。
捜査1課によると、岡田容疑者は1月17日未明、兵庫県たつの市揖西(いっさい)町にある山陽自動車道龍野西サービスエリアの駐車場にとめた自家用車内で、妻幸子さん(79)の首をネクタイで絞めて殺害した疑いがある。岡田容疑者は「後悔している」と話しているという。
2人は福岡市東区唐原5丁目の市営住宅で暮らしていた。昨年10月22日、幸子さんが岡田容疑者の行方不明者届を福岡県警東署に出し、その後、幸子さんの行方も分からなくなっていた。
佐賀県警の調べでは、岡田容疑者は同月15日に家を出た。届けが出された後にいったん帰宅し、幸子さんを連れ出したとみられる。その後は岡田容疑者が運転する車で関西方面などを一緒に転々としていたという。岡田容疑者は今年1月17日未明に幸子さんを殺害後、遺体を車で運び、同日午後1時ごろ遺棄したとみられる。現場近くを何度か通ったことがあり、遺棄を思いついたという。
遺体は20日に見つかり、首に絞められた跡があったことから、佐賀県警は殺人・死体遺棄事件とみて捜査。岡田容疑者は22日、広島県内で見つかり、死体遺棄容疑で逮捕された。死体遺棄については佐賀地検が12日付で処分保留とした。