自動車に乗ったまま利用できる「ドライブスルー公衆電話」。昭和の終わりに登場したが、携帯電話の普及で撤去が進み、いまや全国に2カ所だけ残る。その1カ所、愛知県日進市蟹甲町(かにこうちょう)の公衆電話が約30年ぶりにリニューアルされた。
NTT西日本日進電話交換所の敷地内にある。老朽化していた2台を撤去して新たに1台を設置し、ゆとりのあるスペースを確保した。受話器のコードは大きな車でも楽に手が届くように通常の2倍ほど長く、屋根も取り付けた。災害用伝言ダイヤルの操作方法なども掲示する。13日から利用できるようになった。
NTT西日本によると、ドライブスルー方式は1987年、現在の長野県千曲市に初めて登場。2005年ごろには全国に35台あった。携帯電話の普及で撤去が進み、現在は日進市と島根県雲南市にしかないという。NTT東日本管内にはない。
ドライブスルー公衆電話の詳しい利用状況は非公表だが、利用者は今もいるという。緊急時に備え、国の基準に従って一定数の公衆電話を残す必要があるため、4月から改修工事を進めていた。(松永佳伸)