インバウンド効果で開港以来最高の航空旅客数を記録した中部空港。さらに利用者を増やすには何が必要か?訪日熱が高い台湾でヒントを探った。
中部の航空旅客数は2018年度、開港以来最高の約1235万7千人(速報値)になった。格安航空会社(LCC)が増え、訪日外国人らの個人旅行者が伸びたことが要因の一つだ。空港会社は19年度、1500万人を目指す。
台北の桃園空港で3月中旬、7回目の訪日という台湾人女性の張與庭さん(23)は、初めて中部空港行きに乗り込もうとしていた。「ドラえもんが好きで、(作者の藤子・F・不二雄の出身地の)高岡(富山県)や、金沢へ行く。名古屋からが近いのでこの便を選んだ」。これまで東京、大阪、松江、岡山などを訪れた。今回は7日間の一人旅。だが、名古屋は「行きたい場所が見つからない」と素通りだ。
「台湾人には『日本に行ったことがありますか』ではなく、『何回行きましたか』と尋ねてください」。スターフライヤー(本社・北九州市)の台湾総代理店の責任者・楊莉莉さんは、台湾人の訪日熱をこう表現する。だが、人気は東京、大阪、沖縄、福岡、北海道などで、名古屋は白川郷(岐阜県)や「雪の大谷」(富山県)で知られる立山黒部アルペンルートなどへの入り口との位置づけだ。
名古屋「素通り」の理由
なぜ名古屋観光は人気が低いのか。台北の旅行会社で日本を担当する梁右承さんは「工業都市として有名だが、観光地としてのイメージがはっきりしない」と指摘する。「東京ならファッション、おしゃれな都市。大阪ならグルメ。でも、名古屋に何をしに行くのか、旅行者は思い浮かばない」
ただ、戦国時代の城は台湾でも…