中日本高速道路は20日、人工知能(AI)を活用した高速道路の渋滞予測に着手すると発表した。東名高速道路や中央自動車道などで今夏のお盆期間中に発生する渋滞状況からAIによる予測結果を検証し、年末年始から実用化をめざすという。
同社によると、現在の予測は、各支社に1人ずついる「高速道路ドライブアドバイザー」が手作業で進めている。管内の過去3年分の渋滞回数や距離などのデータを抽出し、重複や誤りがないかを精査。曜日配列や新規開通といった道路状況の変化などを踏まえ、数カ月先の予測を出し、公表している。
この作業の一部をAIに任せることで、これまで約2週間かかっていた作業が1週間ほどに短縮できる可能性があるという。今回、AIには管内の全路線の中から渋滞が起きやすい主要地点を対象に、2017年までの過去5年分のデータを学習させる。
一方、ドライブアドバイザーはAIが導き出した渋滞予測をもとに対策を検討したり、公表したりする業務に注力するという。
宮池克人社長は記者会見で「高速道路の点検やメンテナンスサービスなど広く展開していきたい」と述べ、高速道路事業で今後もAIを活用していく考えを示した。(佐藤英彬)