自動運転の車が事故を避けられない状況になったら、歩行者5人をはねるのか、壁に車をぶつけて乗員を犠牲にするか――。米マサチューセッツ工科大の研究チームは、自動運転をめぐる倫理上の問題について、世界の約4千万人から得た回答を分析し、英科学誌ネイチャーに発表した。「子どもの命を優先する」は、ほぼ世界共通だったが、所得と保護する人の優先順位の関係では、国ごとの違いが見られた。
研究チームは、2016年6月からウェブ調査「モラル・マシン」を開始。自動運転による事故で、誰かが死亡せざるを得ない場合について13のシナリオを設定。子どもや高齢者、ホームレスや高所得者など誰の命を優先するかを尋ねた。233カ国の約4千万人から回答を得たという。
回答を分析したところ、国や年…