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政府は21日、2019年の交通安全白書を閣議決定した。交通事故死者数は平成の30年間で減少したが、昨年の死者数でみると65歳以上の高齢者が占める割合が55・7%となり、過去最高を記録した。30年前に比べ、70歳以上の運転免許保有者も約10倍となっており、高齢者の事故防止対策が急務となっている。 今年の白書では平成の30年間にわたる交通安全の取り組みや、事故の状況などをまとめた。30年前の1989年の年間交通事故死者数は1万1086人だったが、昨年中は3532人で約3分の1に減少した。飲酒運転の厳罰化やシートベルト装着率の向上、エアバッグが標準装備となったことなどが影響したという。 一方、高齢化の進行に伴い、高齢者の被害が目立つ。全体の交通事故死亡者数に対する65歳以上の高齢者の割合は、22・7%だった30年前に比べ、昨年は過半数の55・7%となり過去最高を記録。人口10万人あたりでは5・6人となり、高齢者以外(1・7人)の3倍以上となっている。 また、30年前の70歳以上の運転免許保有者数は約109万人だったが、昨年は約10倍の約1130万人に増加。今後も増加が見込まれている。 東京・池袋で高齢男性の車が暴走し、12人が死傷した事故などを受け、政府は18日、交通安全の緊急対策を決定。免許を返納した高齢者が、区域や回数など条件の範囲内で乗り放題になる「定額タクシー」の導入をはじめ、高齢者の事故防止の取り組みを検討するとしている。(吉川真布) |
高齢の免許保有者、平成の間に109万→1130万人
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