ヘアスタイルを整える際、湿気に負けない「キープ力」と、つやを抑えた「見た目の自然さ」の両立を可能にする整髪成分を発見したと、化粧品メーカーのマンダム(大阪市)と京都大の研究チームが20日、発表した。同社は湿気に強い新たな整髪料の開発を進める。
マンダムによると、従来の整髪料はワックスなどで毛髪の外側を固める仕組みだ。キープ力を高めるほど、見た目のつやが増してくる。一方、近年は若者を中心に、つやがあまり出ない整髪料を好む傾向が強まっている。
チームは、キープ力と自然さの両立を目指し、毛髪に染みこみ、内側の構造を強める成分を探した。海外で保湿成分に使われる「α―ケトグルタル酸」を使うと、湿度80%でも毛髪がへたるのを防ぎ、見た目も自然な状態とほぼ変わらないことを突き止めた。京大の化学研究所は、成分が毛髪に染みこむメカニズムを確認した。
この成分は安全性も確かめられており、洗えば落ちるという。マンダム技術開発センターの占部駿さんは「両立は永遠のテーマで、理想の整髪料を作りたかった」と話している。(野中良祐)