(23日、プロ野球交流戦 ソフトバンク5―1巨人)
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「初回から飛ばした」
勝った方が交流戦の優勝になる大一番に、38歳、ソフトバンクの和田も気持ちが入ったという。
ここぞという勝負どころで、さえたのは決め球のチェンジアップ。打者の手元でスッと沈む120キロ台の変化球で、巨人打線を手玉に取った。三回2死一塁で、要注意の丸を空振り三振に切ったのもこの球だ。
5回を投げて許した安打は3本で、6奪三振。終わってみれば、2017年9月10日以来、651日ぶりの白星を手にした。喜びもそこそこに、ベテラン左腕は言った。「去年投げられなかったことが情けなく、恥ずかしかった。今年は離脱しないよう、シーズンの最後まで投げたい」
左肩痛で、昨季は1軍登板がなかった和田。復活を期す今季の初登板は、5日の中日戦だった。以来、手薄だった先発陣の一角に入り、交流戦で3度の登板。いずれも5イニング以上を投げ、試合を作った。
この日も福田が2本塁打するなど、交流戦18試合で計32本塁打と打ち勝った印象は強い。ただ、目を引くのは先発陣の踏ん張りだ。先発が5回を投げきれなかったことは、たった3度。挙げた11勝のうち、10試合で先発投手に勝ち星がついた。
8度目の交流戦の頂点。工藤監督は「投打のバランスが良かった」と振り返った。打棒は健在。投手陣が試合を作れるメドが立ったことが、リーグ後半戦への勢いになる。(藤木健)