立憲民主党の枝野幸男代表が27日、参院選香川選挙区(改選数1)の野党統一候補を応援するため、高松市に入った。国会閉幕後の最初の地方遊説に、国民民主党の玉木雄一郎代表の地元を選び、野党連携をアピールした。ただ、28日は両党がぶつかる選挙区に足を運ぶ予定で、「協力」と「対決」の二正面構えで連携を進めるようだ。
高松市の繁華街で枝野氏は玉木氏と並び立ち、「野党統一候補の勝利を力を合わせて勝ち取る。その象徴として玉木代表のおひざ元に来させていただいた」と訴えた。玉木氏も「香川から新しいうねりを起こしていこう」と応じた。立憲や国民など主要野党は、香川を含む全国32の1人区すべてで候補者を一本化し、与党と一騎打ちの構図で挑む。
一方、枝野氏は翌28日に立憲と国民が候補を擁立した静岡選挙区(改選数2)に入る。自民と国民の現職が改選を迎えるが、立憲は新顔候補を擁立。自民と旧民主で議席を分け合ってきた選挙区だけに、立憲と国民の「指定席争い」が激化している。
立憲は野党再編にくみしない「単独主義」の立場を崩しておらず、選挙戦でも国民と一定の間合いを保つ考え。候補者調整で見せた国民との連携も「選挙が終わったら元通り。関係性は変わらない」(立憲幹部)との見方が強い。
そんな立憲の姿勢に、国民幹部は「選挙後も近親憎悪が続けば、二度と一緒にできなくなる。野党がまとまらない限り、政権交代はあり得ない」と嘆く。(河合達郎)