7月28日に任期満了となる参院議員のうち、参院選に立候補しない現職は約20人に上る。政界引退、知事選や次期衆院選への転出と進む道はさまざまだ。
参院議長の伊達忠一氏(80)=北海道選挙区=は高齢を理由に政界を引退する。2017年には、新幹線網の整備に関して議長席から不規則な発言をしたとして批判を浴びた。
健康問題を背景に不出馬を決めたのは、自民党の吉田博美・参院幹事長(70)=長野選挙区=と、社民党党首の又市征治氏(74)=比例。吉田氏は「参院のドン」と呼ばれた青木幹雄・元参院議員会長の後継的存在として参院自民をまとめてきた。肺がん手術を受けた又市氏は6月の記者会見で不出馬の意向を表明したが、来年2月の党首任期まで「職責をまっとうする」と決意を述べた。
次期衆院選で立候補を目指すのは、自民入りした薬師寺道代氏(55)=愛知選挙区=と、自民の井原巧氏(55)=愛媛選挙区。薬師寺氏は衆院愛知2区から再び国政の場をめざす。井原氏は衆院愛媛3区へのくら替えを表明した。
地方政治に活躍の場を移そうとめざす議員もいる。
自民の山本一太・元沖縄北方相(61)=群馬選挙区=は、参院選と同じ選挙日程で行われる群馬県知事選(4日告示、21日投開票)に無所属で立候補する予定。旧民主党公認で初当選した行田邦子氏(53)=埼玉選挙区=は、8月25日投開票の埼玉県知事選に無所属で立つと表明した。
中曽根康弘元首相の秘書出身で参院憲法審査会長の柳本卓治氏(74)=大阪選挙区=は、通常国会が閉幕した26日、首相官邸に安倍晋三首相を訪ね、「勇退します」とあいさつ。福田康夫内閣で拉致問題相を務めた中山恭子氏(79)=比例=も退く。