自民党の二階俊博幹事長が参院選の立候補予定者の会合で、選挙結果が政府の予算配分に影響するととられかねない発言をしたことに対し、野党から批判が出ている。
二階氏の発言は6月29日に徳島市で開かれた、参院選比例区に立候補予定の自民現職・三木亨参院議員の激励会で出た。二階氏は、土地改良事業関係者らを前に「選挙を一生懸命頑張ったところに予算をつけるのは当たり前だ。そういうことをやらないと自民党の存在価値がない」とあいさつした。
二階氏は、全国土地改良事業団体連合会の会長を務め、党ナンバー2の要職にある。政府の予算編成に対する影響力を背景に協力を迫った形で、野党が問題視した。
共産党の小池晃書記局長は1日の会見で「絵に描いたような、露骨な利益誘導だ。古い自民党の体質がはっきり出た発言」と批判。立憲民主党の枝野幸男代表も6月30日の埼玉県での街頭演説で「とんでもない発言。税金は二階さんのポケットマネーじゃない」と指摘。「自民党ナンバー2が公然と言う。通用させてはいけない」と強調した。