夜風に赤ちょうちんが揺れる。JR常磐線いわき駅近くにある飲食店街「夜明け市場」(福島県いわき市)。東日本大震災で営業できなくなった飲食店オーナーや被災地を応援したいという起業家らが古いスナック街を改装し、震災から8カ月後の2011年11月にオープンした。
昭和の薫り漂う約40メートルの路地に焼き鳥居酒屋や和食店など約20店が肩を寄せ合う。先月、記者が訪ねたのは「gohoubi(ごほうび)」。福島の地ビールなどをそろえたビアバーである。
「復興? 復旧工事の作業員でにぎわった頃に比べると静かになったけど、それでも飲みにきてくれる根強い常連さんはいます。いわきの街の人の流れは良くなった」と山越礼士(れいじ)店長(44)。長野市出身。大学卒業後、東京でイベント関連の仕事をしていたが、被災地でボランティア活動に参加。知人から「夜明け市場」のことを聞き、復興の力になればと12年1月に店を出した。
いわき特産サンシャイントマト…