10月に任期を迎える労働組合の中央組織・連合の神津里季生(りきお)会長(63)の続投が事実上決まった。執行部人事を検討する役員推せん委員会(役せん委)が3日、神津氏の続投案を発表した。安倍政権が進める「働き方改革」への姿勢のぶれなどで連合の求心力が低下するなか、会長職に名乗り出る他の候補者があらわれなかった。
連合会長は約700万人の組合員を束ね、政府が進める重要な労働政策の協議にも「労働者の代表」として参加する。神津氏は新日本製鉄(現・日本製鉄)の労組出身。鉄鋼や造船などの労組でつくる産業別組織「基幹労連」の中央執行委員長や連合事務局長を経て、2015年10月に会長に就任し、現在は2期目(1期2年)。続投すれば3期目に入る。
役せん委は神津氏のほか、相原康伸事務局長(59)、逢見(おうみ)直人会長代行(65)も続投させる案を示した。今夏に開く中央執行委員会で人事案を了承し、10月の定期大会で正式決定する。他に候補者が出れば選挙になるが、神津氏ら3人に決まる可能性が高い。
連合傘下の主要な産業別組織の代表8人でつくる役せん委は、会長ら現職の意向を聞き取り、傘下の48産業別組織を四つのグループに分けて意見をまとめたうえで、人事案を固める。役せん委の平川純二委員長は3日の会見で、「人事の検討過程はコメントしない」とする一方で、連合が今年11月に結成30周年を迎えることを挙げ、「安定的な体制でないと力強いスタートが切れない」と語った。
人事案の検討は今春から始まっ…