ベトナムのお金持ちのステータスシンボルとして、ある日本製品がひそかなブームになっている。「30代を中心に、中間層よりも豊かな人たちが取り付ける例が増えているんです」。ベトナムに進出して17年目、TOTOベトナムの販売担当、塩澤一之さん(45)が教えてくれたのは、自動車でも美容家電でもなく、洗浄便座の流行ぶりだった。
塩澤さんによると、この3月、世界累計出荷が5千万台を超えたという同社の洗浄便座の売り上げに、大いに貢献しているのだという。
日本で30万円弱の商品の場合、ベトナムでは電圧などの規格の違いに対応した仕様のため、40万円ほどのに価格もアップする。相当な高級品だ。洗浄便座の普及率は日本では7割だが、ベトナムではまだ数%ほど。新しい家に人を招き入れて最新式のテレビを自慢するのと同じように洗浄便座が使われている。普及を狙った7万円ほどの製品もあるそうだ。
日本に行ったベトナム人が洗浄…