冷静な対応をとったバス運転手の竹田理恵さん=2019年6月19日午後1時59分、北九州市小倉南区貫弥生が丘1丁目、渕沢貴子撮影
[PR]
北九州市の踏切で立ち往生する乗用車を、偶然居合わせた路線バスの運転手が助け出した。冷静な対応で事故にはならず、列車の遅れも数分で済んだ。
北九州市小倉南区のJR日豊線「若杉踏切」は5月31日夕、渋滞していた。西鉄バスの運転手竹田理恵さん(44)が前方を見ていると、踏切内に入った乗用車が、渋滞のため前に進めずにいた。警報音と共に遮断機が下りてきた。
踏切の先の道路は車が詰まっていたが、対向車線は空いている。右斜め前に進むか、車を降りて逃げるかと見ていたが動きはない。
夕方の「若杉踏切」付近は車が渋滞していた=6月25日午後6時2分、北九州市小倉北区、狩野浩平撮影
「様子を見てきます」。乗客に断り、バスを降りた。踏切は城野駅近くで普通列車は減速するが、特急や貨物列車は通過する。踏切の非常ボタンを押し、車に駆け寄った。
運転席の窓が開き、背広姿の中年男性の顔がのぞいた。「じっとしていたら危ないですよ」。声をかけたが、男性は「あ、ああ」とほとんど言葉にならない。
踏切とバスの間に車が数台あっ…