世耕弘成経済産業相は9日の閣議後会見で、韓国向けの半導体材料などの輸出規制強化について、韓国から規制内容の事実確認を求められていることを明らかにした。世耕氏は「説明はやぶさかではない。事務レベルで対応したい」と述べた。週内にも輸出規制について事務レベルで説明の場を設けるという。
韓国は、世界貿易機関(WTO)への提訴も視野に入れる。世耕氏は、輸出規制が「(これまでの)優遇措置をやめて通常の輸出管理上の扱いに戻す内容で、韓国向けの禁輸措置ではない」とし、WTOの協定上、問題ないと強調。また、WTOの紛争解決手続きに基づく正式な二国間協議の要請は、現時点で受けていないとした。
経産省は4日、半導体やスマートフォンのディスプレーなどをつくるのに使う三つの材料について、輸出の手続きを厳しくした。この3品目は日本のシェアが9割を超えるものもあり、韓国メーカーが得意とする半導体製造への影響が懸念されている。日本は8月にも、規制対象の品目を拡大する方針だ。(伊藤弘毅)