(14日、高校野球山形大会 日大山形10-3山形商)
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「入ったな」。打たれた瞬間そう思った。
初回、山形商の布施周汰投手(3年)が日大山形の先頭打者に投じた2球目。甘く高めに浮いたチェンジアップを左翼スタンドに運ばれた。
直後に仲間が反撃し、同点にしてくれたが、三回にも2本の三塁打を打たれるなど立ち直れなかった。
布施投手は初戦の新庄南戦で5回被安打1の好投を見せていた。横山智也監督は「四死球が少ないのが彼の良いところ」と評価する。
チームにとって、日大山形は因縁の相手だ。昨秋の県地区予選、今春の県大会準々決勝で連敗している。雪辱を果たそうと、チーム全体で対策を講じた。布施投手も春から制球力を磨いて、この大会に臨んだ。
しかし、対策を練っていたのは相手も同じだった。変化球を見極められ、ストライクを取りにいった直球を狙われた。三回途中までに6点を失い、マウンドを後輩の金子優真投手(2年)に譲った。
チームは最後まであきらめなかった。七回裏、1死満塁の好機には、布施投手も「ここで1本」と声援を送ったが及ばなかった。
「緊張はなかったけど力みがあった」と布施投手は自身の投球を振り返りつつ「後ろを守ってくれた仲間には感謝しかないです」と語った。(鷲田智憲)