(12日、高校野球山形大会 山形商10―0新庄南)
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新庄南は選手12人の半数が「助っ人」。梁瀬莉輝主将(3年)らが以前、野球部に在籍した仲間を説得し、単独チームで今大会への出場を果たした。
5番三塁手の佐藤大空選手(3年)も野球部に戻った一人。三塁線を襲う打球に飛び込むなどガッツあふれるプレーが光った。
6月までは将棋盤上で戦っていた。野球は小学2年から始めたが、中学3年の時にテレビで見たプロ棋士の対局がきっかけで将棋に熱中。ネット対局や詰将棋で腕を磨いた。
新庄南への進学後、野球部にいったん入部したが、「将棋に集中したい」と退部。しかし仲間と約束した。「将棋が終わったら最後の夏は戻る」
佐藤選手は今年5月の県高校将棋選手権大会と、6月の全国高校将棋竜王戦県大会で優勝。約束通り野球部に戻って夏を迎えた。
チームは初戦コールド負けに終わり、佐藤選手もブランクから「バットが重く感じた」と振り返る。
今月末には将棋の県代表として全国大会に出場する。「将棋をしながら大きな球場で仲間と野球ができて幸せ。負けた悔しさは将棋で晴らす」と誓った。(鷲田智憲)