(15日、高校野球山形大会 羽黒9―2米沢興譲館)
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昨夏の覇者・羽黒から初回、2点を奪った。米沢興譲館のサウスポー戸田晃平投手(3年)は仲間の援護に「心強かった。引き締めて投げていこうと思った」。初回、二回と安打は許したが、持ち前の打たせて取る投球で得点は与えなかった。
普段の生活は右利きだが、野球は左投げ左打ち。幼稚園の時、サウスポーになってほしい、と父から贈られた左利き用のグラブがきっかけだ。
高校入学後、投手に転向。最初の頃は制球が定まらず、マウンド上での気持ちも安定しなかったという。昨秋の新チーム発足後から下半身を強化し、制球力に磨きをかけて大会に臨んだ。
羽黒打線が2巡目に入った三回。先頭打者・北原亘選手(3年)にインコースの直球を振り抜かれた。打球は右翼フェンスを越えた。「力不足だからしょうがない。でも試合を崩してはいけない」と気持ちを切り替え、この回は本塁打による1失点で切り抜けた。
だが続く四回、満塁のピンチで、北原選手を迎えた。今度は高めに浮いたカーブを捉えられ、2打席連続となる本塁打を許した。六回途中でマウンドを譲った。
試合後、先制してくれた仲間への感謝を真っ先に口にして「悔いは残るけど楽しい試合でした」と振り返った。将来の夢はスポーツ整形外科医。今後は医学部受験に向け、勉強に本腰を入れるつもりだ。(鷲田智憲)