1か月を切った消費税引き上げ。目玉のポイント還元をめぐり、混乱が起きています。あの、牛丼の吉野家も準備が間に合わず、ポイント還元制度に参加できなくなったことが分かりました。
国産の鰹節が自慢の愛知県一宮市のお店。創業から160年を迎え、ある変化が起きています。長い間、支払いは現金だけでしたが、今年、キャッシュレス決済の導入に踏み切ったのです。
「クレジットで買ってもらうと、10月1日から5%ポイント(還元)がつく」(店主)
「あっそうなんですか」(客)
10月の消費増税に合わせてキャッシュレス決済の場合、ポイントが還元される制度が始まるためです。使い勝手の良さもあって、すでに利用客は右肩上がりだといいます。しかし・・・
「キャッシュレスだとかカードで買われたときの5%還元。これ(認知度)がお客さんにまだ行き届いていないような気がします」(安藤鰹節店 安藤元二 代表)
ポイント還元によって、消費者が負担する税率は来月から複雑になります。例えば、キャッシュレス決済でおにぎりを購入した場合、ポイント還元率は3種類になります。そのため、消費者が負担する税率は現在の8%のみから5種類に増えることになるのです。
店がポイント還元の制度に参加するには、登録を申請する必要があります。来月1日に間に合わせるための期限は9月6日。しかし、申請は対象の4分の1程度にとどまっています。
「こちらのお店、キャッシュレス決済の導入はしないとのことです」(記者)
こちらは、生鮮食品などを扱う、安さが魅力のお店。キャッシュレス決済を導入して1円でも安くしたいところですが・・・
「薄利多売に徹していますので、やっぱり手数料ですかね。2.5%~3%くらい持っていかれちゃうので、それがきつい」(横浜グレープ商事 小森秀一 社長)
決済に必要な機器の導入や手数料を負担することで、店の利益が圧迫されるといいます。
「(キャッシュレス決済は)得がいっぱいだから、いつ導入してくれるかなと思って」(利用客)
こうしたなか、牛丼チェーンの吉野家。国内におよそ1200ある全ての店舗で、2%分のポイント還元をするとしていました。しかし、6日、レジの改修が間に合わないことから還元制度に参加しない方針を固めました。
来年6月末までの9か月間のポイント還元で、複雑になる税率。店舗も消費者も混乱を抱えたまま、10月を迎えようとしています。