新型コロナウイルス感染拡大防止・抑制対策に合わせて、北京の人気観光スポット・故宮博物院は1月25日から現在に至るまで70日以上閉館している。そんな博物院は今月5日と6日、人民日報など複数のメディアと提携し、ライブ配信を実施した。ネットユーザーたちは故宮の春の息吹や美しい建築物、神秘的なムードを「クラウド体験」した。600年の歴史を誇る故宮がネットを通してライブ配信を行うのは今回が初めてだった。解放日報が報じた。
今はちょうど、カイドウやライラックのシーズン。故宮の文華殿前はカイドウ観賞の、延禧宮はライラック観賞のベストスポットだ。その他、芝生では中国北方地方特有の植物・オオアラセイトウが美しい花を咲かせ始めている。
故宮はどれほど人気があるのだろう?第1回ライブ配信は、人民日報のプラットホームだけでも、視聴数が約500万人に達した。小学生の時に初めて故宮に行き、これまでに7回行ったという上海市民の楊柳さんは、「唯一残念なことと言えば、毎回観光客が多くて大混雑しているということ」と話す。しかし、ライブ配信で、「誰もいない故宮の様子を見てみたい」という楊さんの願いもかなえられた。
ライブ配信で、多くの視聴者には「新たな発見」もたくさんあったようだ。例えば、慈寧宮後殿の軒下にある横梁の装飾画の外框には「W」が重なったような溝が掘られている。ライブ配信の説明を聞いて、楊さんはこれは故宮の最高ランクの宮殿にだけ施されたマークであることを知った。また、市民の曹倩さんもライブ配信を通して、故宮に設置されている消火用の水が入った大きなかめの水が凍らないのは、かめの下に置かれている石の下にその秘密があり、冬になるとそこで炭が燃やされているからであることを知った。中国では「熏缸化氷」という専門用語で呼ばれている。
新型コロナウイルス感染拡大防止・抑制対策実施期間中、ポタラ宮や故宮などたくさんの博物館のライブ配信を視聴したという市民の陸利穎さんは、「書籍やドキュメンタリー、映画と比べると、ライブ配信の画質は劣るものの、今のリズムの早い伝播スタイルにマッチしている。また、映像が不安定で、映像が解説についていかないということもよくあるが、情報量が多く、『秘密が明かされていく』ような雰囲気を楽しむことができる」と語る。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年4月8日