34兆元を何に使うのか?
34兆元は巨額の資金にみえるが、ほとんどが今後数年間の投資の累計であり、1年間の投資の規模ではない。政府の資金は一種の「誘導」であり、レバレッジの役割を果たすという面がより強い。
経済の安定を考えると、レバレッジをかけなければいけないとしても、必然的に慎重で抑制的な態度を取ることになる。土地財政の過熱抑制、隠れた債務の厳格なコントロール、財政圧力の拡大とデレバレッジという大きな局面の中で、すべての資金を用いるべき所で適切に用いることがより強く求められる。
こうした状況の中、「新インフラ整備」の投資方法にも変化が生じる可能性がある。
「新インフラ整備」の資金はどこから来るか?
「新インフラ整備」を発展させるには、多様化した投融資システムを構築しなければならず、すでにある道を歩むのではなく、市場への参入をさらに開放し、民間資本を他の資本と同じように扱わなければならない。
「新インフラ整備」はハイテク、新興産業に照準を当てているので、公共財としての非競争性と非排他性という特徴がそれほど目立たない。これはつまり、「新インフラ整備」への投資には多くの商業性が含まれるということだ。
中国財政科学研究院金融研究室の趙全厚室長は、「政府は市場の体制とビジネス環境の面での改革を加速し、民間投資の積極性を十分に引き出し、民間企業、自営業者も『新インフラ整備』の投資に加われるようにするべきだ」との見方を示した。
吉林省財政科学研究所の張依群所長は、「『新インフラ整備』への投資については、国のマクロ政策の指導の下で、官民提携の政府と社会の資金がともに投入され、ともに整備を進める「PPP」モデルを採用しなければならない。伝統的インフラ建設に比べ、市場主体の関与の度合いが、とりわけハイテク企業の関与の度合いが高くなる」と述べた。
「PPP」と特定債務が、「小さな力で大きな勝利を収める」役割を果たせるなら、数兆元規模の民間資本投資によるレバレッジが可能になる。