第3に、工業の新たな原動力が流れに逆らって成長し、経済下ぶれのリスクを部分的にヘッジした。工業経済は感染症の打撃を大きく受けたが、工業の新原動力は引き続き急速な成長傾向を示し、経済下振れリスクを部分的にヘッジし、工業経済のモデル転換・高度化と産業チェーンのミドル・ハイクラスへの躍進を牽引した。新たな産業をみると、3月にはハイテク製造業の付加価値額が同8.9%増加し、電子産業は同9.9%増加した。新製品をみると、3月にはスマートウォッチ、3Dプリンター、集積回路のシリコンウエハー、サーバー、ディスクリート半導体などの電子類製品は引き続き高度成長ペースを維持し、前年同期に比べていずれも60%以上増加した。同時に、中国の一部ハイテク産業への投資が引き続き急速に増加し、生産要素がモデル転換・高度化の方向性に合致した産業へと集中しつつあり、新たな経済成長源が育成されエネルギーを蓄えている。第1四半期には、ハイテク製造業のうちバイオ医薬品製造業への投資は同15.1%増加し、コンピューター・OA機器製造業への投資も同3.2%増加した。
第4に、生産再開を後押しする政策が実施されて目に見える効果を上げ、市場の信頼感も目に見えて改善した。感染症が経済に与える大きな打撃に対処するため、政府はターゲットを絞った預金準備率引き下げ、減税・費用削減、家賃の減免といったカウンターシクリカル(反循環的)な調整政策を実施し、企業の問題解決に、とりわけ中小企業の問題解決に尽力し、感染症の打撃がもたらした業務減少や防疫コスト上昇などの圧力をある程度リスクヘッジし、企業の存続と正常な操業を確保した。同時に、特定債権の発行に力を入れ、特例国債を発行し、5Gネットワークなど新たなインフラの建設推進に力を入れ、消費高度化を喚起する政策を打ち出して、これから工業の完成品・中間財の需要を喚起し、市場の期待と発展への信頼感を改善しようとしている。市場経営活動期待指数は2月は目に見えて落ち込んだが、3月は急速に回復して54.4%に達し、ボーダーの50%を上回った。
以上をまとめると、感染症の打撃を受けて、第1四半期の工業主要指標は軒並み低下したが、この打撃は短期的なもの、外在的なもの、そしてコントロール可能なものだ。また大きな打撃は主に第1四半期に集中し、第2四半期への打撃は目に見えて弱まるとみられる。中国経済はすでに最も困難で、最も苦しい時期を乗り越えた。政府のカウンターシクリカルな調整政策が実施されて効果を上げ、企業の生産が順調に進むにつれて、工業経済は急速に正常な生産水準に戻るだろう。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年4月30日