今年のメーデー連休には、新型コロナウイルスへの懸念から、家の中で過ごすことを選択した人が多く、各大手プラットフォームが提供した仮想現実(VR)商品、ライブ配信観光、オンライン観光などのサービスにより、「家を出なくても世界が見られる」が現実のものになり、オンラインの「クラウド観光」が大いに人気を集めた。中国新聞網が伝えた。
5月1-5日、ショート動画共有アプリ「抖音(Tik Tok)」は、「不思議な探検」、「美しい中国を歩く」、「舌で味わう都市」などの内容が含まれるライブ配信イベント「クラウド端末観光局」を打ち出した。視聴者はカメラと一緒に雲南省大理市、新疆維吾爾(ウイグル)自治区の喀納斯(カナス)、浙江省の普陀山、チョモランマ(エベレスト)などの観光地を「訪れた」。
これに先立ち、多くの観光スポットが感染症の打撃を緩和するために「クラウド観光」モデルを打ち出し、感染対策中の人々のニーズに応えた。
携程旅行網はイベント「観光スポットクラウド観光」を始動し、サプライヤー8社と提携して観光スポット3千ヶ所以上で音声観光ガイド商品約7千点を無償提供した。敦煌研究院は騰訊(テンセント)と共同で微信(WeChat)のミニプログラム「敦煌クラウド観光」を打ち出し、利用者は指を動かすだけでデジタル莫高窟を360度どの角度からでも見学できた。馬蜂窩旅遊網はショート動画共有アプリ「快手」と共同で「世界の博物館クラウド観光」シリーズを打ち出し、オンラインのライブ配信形式で視聴者を有名な博物館や美術館に誘った……
音声、写真・文書からVRまで、さらにはライブ配信まで、「クラウド観光」は次々に新たな表現形態を獲得し、人々に斬新な視聴覚体験をもたらした。中国観光研究院の観光スポット研究専門家の戦冬梅氏は、「『クラウド観光』は感染対策中の市場ニーズをがっちりつかまえ、インターネットの急速発展も観光スポットのクラウドサービス展開に成熟した技術的サポートを提供し、『クラウド観光』が単なるコンセプトから現実のものになるのを後押しした」と述べた。
戦氏は続けて、「『クラウド観光』には他では代わりがきかない独特の価値がある。たとえば時間と経済的コストを節約できること、天候、交通、観光客数といった客観的要因による限界を打ち破れること、利用者が家から出なくても詩情あふれる世界や遠く離れた世界を楽しめることなどだ。『クラウド観光』は感染対策中だけのニーズではなく、感染症終息後も、人々はオフラインで実際に出かける前に『クラウド観光』で目的地を選んだり、情報を仕入れたりして入念に準備し、よりよい旅行体験ができるようになる」と述べた。
現在、「クラウド観光」を利用する観光スポットがますます増えている。文化・観光部(省)産業発展司の高政司長は、「デジタル文化観光産業が新たな勢力として突如出現し、流れに逆らって上昇を続け、新たな注目点および新たなトレンドになった。当部は今後、デジタル文化観光産業の発展を加速させ、文化観光とデジタル経済の高度な融合を推進し、観光消費の質向上と高度化を促進していく」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年5月6日