中国のデジタル通貨はすでに一部の都市で内部閉鎖型の試行テストが行われており、正式な実施まではあと一歩というところなのか。中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁は26日にメディアの取材に答える中で、「現在の試行テストは、研究開発プロセスにおける通常の取り組みに過ぎず、デジタル人民元が正式に実施され発行されるわけではない。それがいつになるか、まだタイムテーブルはない」とコメントした。中国新聞社が伝えた。
しかし易総裁はデジタル通貨の研究開発と応用については十分に認めており、「現在、デジタル経済はグローバル経済成長でますます重要な駆動力になっている。法定デジタル通貨の研究開発と応用は、デジタル経済の環境における人々の法定通貨に対するニーズを効率よく満たし、小売決済の利便性、安全性、偽造防止レベルを高め、中国のデジタル経済の加速的発展を後押しする上でプラスだ」と述べた。
人民銀行は2014年に専門チームを立ち上げて、デジタル通貨の発行の枠組、キーテクノロジー、発行流通の環境及び関連する国際的なノウハウなどについてテーマを絞った研究を進めてきた。
易総裁は、「現在、デジタル人民元の研究開発は安定的、安全、制御可能、革新的、実用的という原則を遵守して、先行的に深セン、蘇州、雄安、成都、将来の冬季五輪の各シーンなどで内部封鎖型の試行テストを行い、理論の信頼性、システムの安定性、機能の実用性、プロセスの利便性、シーンへの適用性、リスクの制御可能性を検証している」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年5月27日