5月26日、艾瑞諮詢(iResearch)が公式微信(WeChat)アカウントを通じて、「2020年中国漫画アニメ産業研究報告」を発表した。それによると、2次元ユーザーが20年に4億人の大台を突破する見込みだが、これまで高い成長率を維持してきたオンライン漫画アニメ産業は広告主の予算が削られ、資本の同産業に対する興味が急速に減退し、ユーザーの増加がボトルネックに直面したなどのマイナス影響を受けて挑戦に直面しており、各方面の参入者は多様化した有料モデルなどをよりどころにビジネス収益化の新たなチャンスを探っている。「北京商報」が伝えた。
ここ数年、「西遊記 ヒーロ・イズ・バック(原題:西遊記之大聖帰来)」、「ナーザ 魔童降世(原題:哪吒之魔童降世)、「大魚海棠」、「白蛇:縁起」などの国産アニメ映画が人気を集めると、漫画アニメ産業に新たな波が起こった。2019年の中国漫画アニメ産業の規模は1941億元(1元は約15.1円)で、漫画アニメサイトは約402に達した。
これと同時に、モバイルインターネットの発展・普及の恩恵を受けて、インターネット大手が相次いで漫画アニメ産業で事業を展開するようになり、この競争の激しいレッドオーシャンでシェアを獲得しようとしている。騰訊(テンセント)、網易、愛奇芸、bilibili(ビリビリ)などのプラットフォーム型企業と光線伝媒、万達伝媒を中心とした映画会社による汎娯楽産業への資本投入は、中国漫画アニメ産業の急速な発展を後押しした。
同報告の指摘によると、オンライン漫画アニメプラットフォームが誕生し、2次元サブカルチャーが若い世代の中で広がり、14-17年には中国の汎2次元ユーザーは急速に増加し、14年の1億5千万人が17年は3億1千万人と倍増した。ネットの人口ボーナスとアクセス数のボーナスが徐々に消滅し、現在は汎2次元ユーザーの規模も安定増加期に入り、今年は2次元ユーザーが4億人を突破することが予想される。
ユーザーの増加が緩やかになると同時に、中国のオンライン漫画アニメ市場の規模も高度成長期から安定成長期へと移行した。データをみると、中国オンラインアニメ市場とオンライン漫画市場は15年に高度成長期に入り、成長率はアニメが313.7%、漫画が82.5%に達し、18年には安定成長期に移行しながら、成長率はいずれも15%以上を維持した。
艾瑞諮詢は同報告の中で、「中国国内のオンライン漫画アニメ市場の規模は現在は成長率が鈍化する流れで、これは主に経済環境の影響によるものだ。データをみると、19年の中国漫画アニメ業界関連の投融資は件数も金額も大幅に減少し、18年の投資は73件で資金調達額が75億5千万元だったのが、19年は32件にとどまり、金額も21億1千万元に減少した」と指摘した。