地球外文明の探査はもともと「中国天眼」(FAST)の5つの主要科学目標の一つだ。国際宇宙会議(IAC)地球外知的生命体探査(SETI)分科会の会員で、中国地球外文明探査(SETI)の科学者である北京師範大学天文学部宇宙学・地球外文明研究チームの張同傑教授はこのほどインタビューに応じた際、「中国天眼」は、設備アップグレード後の9月から、地球外文明探査を正式に開始することが可能になると初めて明かした。科技日報が伝えた。
「中国天眼」による宇宙人探査は、本当にまともできちんとした科学研究なのだろうか。張氏の答えは「イエス」だ。「地球外文明の研究・探査は決して天文愛好家やSF作家がやるようなことではなく、天文学者が真剣に取り組む任務だ。ただ、科学的な手段を用いる必要がある」
世界最大かつ感度が最高の電波望遠鏡である「中国天眼」は、宇宙人探査の優位性が際立っている。中国科学院国家天文台の博士課程に在学する張志嵩氏によると、「中国天眼」は感度が高く、探査の確率を大幅に高める。口径はアレシボ天文台を大きく上回り、そして独創的なパッシブ反射鏡設計を採用し、19本ビーム受信機を取り付けている。「中国天眼」は観測視野がアレシボ天文台よりはるかに広いほか、同時に19エリアを観測し、より多くの電磁信号を受信できる。
張氏の説に従うと、「中国天眼」には数千個の系外惑星における地球に似た文明、またはより先進的な技術を持つ文明を探査するポテンシャルがある。ただし、あくまで存在する場合の話だが。将来的に「中国天眼」は地球外文明探査・研究の主力になり、地球外文明探査の復興をけん引するに違いない。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年6月2日