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中国の複数の科学研究チームと企業は先ごろ、再利用可能なマスクを開発したと発表した。その防護効果はどの程度なのか。手が届く価格なのだろうか。新華網が伝えた。
業界関係者によると、マスクは3つの層からなり、内側と外側の2層は不織布で、間の層はマスクの「心臓」と呼ばれるメルトブロー不織布だ。この3層の布が、物理的な遮断と静電気吸着の原理により、微粒子やウイルスを遮断する効果を発揮する。高温、アルコール、放射線などの消毒方法はメルトブロー不織布の内層構造を破壊し、ろ過の効果を失わせる。そのため一般的なマスクは再利用できない。
再利用可能なマスクの研究開発でカギとなるのは、抗菌・殺菌素材もしくは伝統的な消毒方法に耐えることが可能なろ過材を見つけることだ。
広州市の某企業の責任者である袁建華氏は、「当社はオルガノシランで処理した不織布をマスクの外層に採用した。ウイルスと細菌を抑制でき、マスクを連続7日間有効利用できる。別の製品はポリテトラフルオロエチレンろ過膜を使用しており、熱湯、洗浄、医療用アルコールのスプレーなどにより消毒でき、ろ過効果を損ねない。7日以上再利用できる」と述べた。
ポリテトラフルオロエチレンを用いた「再利用可能ナノマスク」の製品説明によると、そのポリテトラフルオロエチレンナノろ過膜マスクのろ過効率は96%以上で、従来のメルトブロー不織布よりも「長い耐用期間を持ち、熱湯やアルコールなどの消毒・殺菌方法に耐えられ」、「正常に着用し破損がなければ、消毒して再利用できる」という。
公開された資料によると、上海市と北京市の企業が、ナノもしくはグラフェンなどの材料を使った再利用可能なマスクを研究開発したと発表している。
多くの再利用可能マスクの販売価格は同種の使い捨てマスクよりも高い。例えば、ある再利用可能ナノマスクの販売価格は1袋10枚入りで60元(1元は約15.3円)で、1枚あたり6元となっている。
一部の製品は現在、医療機器関連証書を取得しておらず、一部のスーパーやECサイトのみで販売されている。記者が一部のECサイトで検索したところ、再利用可能マスクの価格は1枚あたり4−5元から数十元とまちまちだった。