P-8A対潜哨戒機「ポセイドン」(写真は環球網より)
「南中国海戦略態勢感知計画」(SCSPI)によると、米海軍のP-8A哨戒機が7月26日、東中国海に姿を現し、一旦は福建省の海岸までわずか約76キロの地点にまで接近した。SCSPIは米軍の偵察機が最近で最も近くまで中国の海岸に接近したとの見方を示している。7月27日午前にも米空軍のRC-135W電子偵察機が中国の台湾地区、広東省付近で偵察活動を行ったとみられる。
軍事専門家の滕建群氏は中国中央テレビの取材に「米軍機が10日以上続けて対中接近偵察を行った」と指摘し、その目的として(1)米国はこれを在ヒューストン中国総領事館の閉鎖といった戦略レベルの対中圧力強化と連係させ、接近偵察の距離を縮め続けることで中国側がどこまで圧力に耐えられるか試している(2)戦場の準備。米軍は各種軍用機を出動して中国周辺空域で接近偵察を行い続けている。将来戦闘の必要が生じれば、こうした偵察により得られた戦場のデータが全て米側に提供されるーーを挙げた。
米大統領選まで7月26日であと100日となった。トランプ大統領は民主党の候補者であるバイデン前副大統領と対決する。中国人民大学国家発展・戦略研究院の刁大明研究員は中国中央テレビの取材に「感染状況が悪化し続ける中、トランプ大統領は選挙情勢で大きな圧力を受けている」と指摘。
「こうした中、トランプ大統領は中国の脅威を誇張することで対外的なもめ事を造り出し、中国をバイデン氏よりも深刻な対戦相手に仕立て上げるつもりだ。特に選挙が間近に迫った時期にいわゆる中国との軍事面、安全保障面の衝突を造り出すことで、自分が当選するためのカードを増やそうとしている。我々はこの点を強く警戒すべきだ」とした。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年8月6日