|
2020年5月8日、貴州省榕江県計画郷加宜村で、地元特産の農産品を紹介する動画を撮る駐在幹部の廖超成さん(撮影・劉進銀/写真著作権は人民図片が所有のため転載禁止)。 |
「見てください。ニワトリたちはここで放し飼いされています。生餌を食べて育つので、産んだ卵はおいしくて栄養たっぷり。殻まで緑色なんですよ」。貴州省長順県鼓揚鎮岩上村の林の中で、呉小夢さん(24)は手に卵を1個持ち、スマホの画面に向かって語りかけ続けていた。呉さんはネットのライブ配信で、故郷の特産品である緑色の殻の卵を紹介している。(文/人民日報道・楊文明)
呉さんの家は地元の貧困登録世帯だ。もともとは春節(旧正月、今年は1月25日)が過ぎたら地元から離れて働きに出ようと思っていたが、新型コロナウイルス感染症の影響で予定が狂ってしまった。呉さんが仕事をどうするか悩んでいた時、村駐在第一書記を務める韋健さんが彼女を訪ねてきて、「スマホとコンピューターを使いこなせるのだから、ネットで村の商品を売ってもらえないか」と頼んだ。
2月初旬、呉さんは村の山で採れる特産品を扱う会社のライブコマース・パーソナリティーになった。その任務は地元特産の緑色の殻の卵を売ること。初めの頃、呉さんは毎日快手や淘宝などのライブ配信プラットフォームを通じて、この卵の栄養価値を繰り返し紹介していたが、声が枯れるほどやっても数パックしか売れなかった。
最初に思うような販売実績が残せなかった呉さんは、ライブ配信をする場所を変えることにした。毎回農家で卵を仕入れる時に、呉さんはいつも撮影機材を持参し、ニワトリたちが普段どんなものを食べているか、どんなところで飼われているかなどの映像を重点的に撮影した。
しばらく続けてみたところ、呉さんは注文が少しずつ増えていることに気がついた。一番売れた時には、20分で3000元(1元は約15.6円)以上売り上げたこともあった。「私の配信を通じて、品質を直に感じてもらえるようになり、自然とお金を出して買いたいという人が出てきた」と呉さんは言う。
「毎月の基本給は1800元。会社から歩合給も支給される。出稼ぎに行くのと変わらない」と呉さん。ここ数年、呉さんの家では家族が大病を患い、呉さんと妹はまだ学校に通っていたため、両親が農業や臨時雇いの仕事で得る収入では持ちこたえられなくなったため、貧困世帯の登録をすることになった。今では、自分が稼いだお金で家族に恩返しができるようになり、呉さんはそれを心の底からうれしく思い、暮らしはますます良くなってきていると感じている。
卵の販売はスタートにすぎない。呉さんは今後も村に残り、EC一本でやっていくことを決意。故郷のカルシウム豊富なリンゴや天然ハチミツ、菜種油など地元の特産品を販売して、山間に暮らす同郷の人々と一緒に小康(ややゆとりのある)生活へと羽ばたいていこうとしている。(編集AK)
「人民網日本語版」2020年11月9日