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アグリツーリズムで貧困脱却を後押し

青海省海東市平安区古城回族郷石碑村の景勝地は6月に入ると賑わい始め、毎日訪れる観光客が絶えず、花海観光景勝地には車が長い列を作るようになる。(文/人民日報・王梅)



一面に花が咲く石碑村瑞豊花海観光景勝地(提供・青海海東市平安区文化観光体育局の微信公式アカウント)。


古城回族郷蓮花山のふもとにある石碑村は、村内にある石碑からその名がつけられた。長い歴史を持つ少数民族の村で、自然の風景が美しい。しかしこれまで、緑の山や川は守られてきたものの、村民たちは貧しい日々を送っていた。


その苦しみを胸に刻んで教訓とした現地政府は、石碑村の自然生態環境や民俗文化といった資源面での優位性を活用する計画を立て、560万元(1元は約15.9円)を投資して石碑村アグリツーリズムプロジェクトを立ち上げた。同時に、観光や飲食、宿泊を主とした観光サービスをベースに、美しい農村建設を強化し、付帯サービスを整え、農耕体験やトレッキングなど自然を生かした娯楽プロジェクトを拡大・増加させ、「一村一品、一線一景」の特色あるアグリツーリズムを確立して、村民が収入を増やして豊かになることを後押しした。その結果、石碑村の貧困登録世帯の1人あたり可処分所得は2015年の2429元から2017年には5500元まで増え、貧困脱却という目標を無事達成した。


石碑村党支部書記の馬成全氏は村について、「山に囲まれたこの地は環境が良く、空気もきれいで、天然の『酸素バー』のようだ。私たちは都市から来た観光客に、『農家院(農村家屋を利用した宿泊・レストラン施設)を訪れ、農家のご飯を食べ、農家の仕事をして、農家の部屋に泊まり、農家の楽しみを味わう』体験をしてもらっている。石碑村に影響される形で、周辺の農家でも農家院を始めたところがすでに7軒あり、雇用が30人増えた。今年、石碑村が受け入れる観光客は延べ12万人に上ると見られ、1人あたり2300元以上の増収が見込まれる」と説明する。



石碑村観光景勝地で地元の特色あるお土産を選ぶ観光客(ソース・青海羚網)。


観光客が数多く訪れるようになると、現地政府はその勢いに乗って村民が商機をつかみ、小型のスーパーや農家民宿ツアー、軽食店を開くことを奨励した。村民の馬小玉さんは、「私が作った醸皮(中国風の冷麺に似た食べ物)やヨーグルト、甜醅(燕麦などを発酵させた甘酒のようなスイーツ)を景勝地で売っている。観光客にとても評判がよく、毎日300元ほどの収入がある。それに(出稼ぎに出なくていいので)子供の世話もできる」と話す。


一部の地元を離れて出稼ぎしていた人も、故郷が急速に発展するのを目にして続々と地元に戻って起業し、石碑村の経済発展に活気をもたらしている。


村民の馬守慶さんは、「以前は沿海部の発達した地域で手打ち麺の店をやっていた。向こうのほうが経済が発達していて、お金が稼げるからだ。でも今は、地元でも起業して収入を増やすことができる。去年始めた農家民宿は敷地がたっぷり500平方メートルはあり、十数室の部屋が宿泊客で満室になる。収入は出稼ぎに行くのと変わらない」と話す。



石碑村の風景(提供・青海海東市平安区委員会宣伝部)。


アグリツーリズムの発展にともなって、石碑村は50万元の村集団発展資金を投じ、景勝地内に娯楽施設を設置。村の集団経済に年間で4万元の収入をもたらしている。これにプロジェクトによる配当も加わって、石碑村の村集団経済は年間の収入が18万1600元に達している。農閑期には周辺の80世帯以上の農家から働きに来る人もおり、1人あたり2000元以上の増収になっている。


村集団経済が発展したことで、村民たちは今後の生活に自信を抱くようになり、「豊かな自然は金銀同様の価値がある」という道理も理解した。そして景勝地周辺の環境衛生に村民が責任感を抱くようになり、不定期でボランティアの大掃除を行っている。


古城回族郷党委書記の車桂平氏は、「高原の美しい農村建設と居住環境整備が絶えず推進されるにつれて、石碑村の様子は一新され、平安区の重要なアグリツーリズム景勝地の一つとなった。村はますます有名になり、その名を慕ってやって来る観光客もますます増えている。2019年、村民の1人あたり収入は1万3256元になった」と語っている。(編集AK)


「人民網日本語版」2020年11月10日


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