
「アックス・バット」社製のバット。先端や芯の部分はほかのバットと変わらないが、グリップにかけて特徴的なデザインになっている(アックス・バット提供)
大リーグで使用されるバットのグリップ部分が「斧(おの)」の柄のようにデザインされた形が定着しつつある。2015年ごろからスター選手が愛用を始め、年々広がりを見せている。
6月21日、ミネアポリスでのツインズ戦の五回。レッドソックスのムーキー・ベッツは今季19号ソロを右中間に放った。外角高めを逆方向に運ぶ技ありの一打。その手には従来の丸い形ではなく、角度がついた楕円(だえん)形のグリップエンドのバットが握られていた。28日現在でア・リーグ2位の打率3割3分6厘をマークする25歳外野手は「操作しやすい」と話す。
製造するのは、米ワシントン州にある「アックス・バット(Axe Bat)」社。持ちやすくすることでバットを強く握らなくてすむ分、残った力を振る動作に回せるという。今季は少なくとも75人以上の大リーガーが使用し「最短距離でバットが出せる」「スイングスピードが速くなった」などの反応がある。
「故障防止」の観点も人気の理由の一つ。打者に多い症状で、とくに強打者を悩ませるのが「有鉤骨(ゆうこうこつ)の骨折」だ。手首に近い小指側にある骨で、ボールを打ったときの衝撃や「勤続疲労」により折れることも多い。「斧(おの)」型のグリップは手への衝撃が少ないとされ、骨折経験者や手の痛みに悩む選手にも好まれている。
同社のジェイ・ヘルミック上席…