この協定のそもそもの狙いは、地域内で統一のルールを形成し、運営コストを引き下げ、運営における不確定要因を減少させること、域内の相対的な優位性に基づいてサプライチェーンとバリューチェーンを構築し、商品の流動、技術の流動、サービスの流動、資本の流動を加速させ、「貿易創造効果」を生み出すことにある。また域内の企業がひとしく原産地の価値の蓄積に参加することができれば、域内の相互貿易・投資の促進にとって大きなプラスになると考えられる。
たとえば衣類製造の場合、域内から衣類を輸入すれば一定の関税を納めなければならず、関税コストは最終的に消費者が負担することになる。RCEP署名後、状況は大きく変わる。オーストラリア産ウールが関税なしで中国に輸入され、中国で縫製されて布地になるとまた関税なしでタイに輸出されて衣類になる。この過程で、RCEPの関税をめぐる優位性により、生産コストと輸送コストは大幅に低下し、域内各国で雇用が生まれ、さらに企業と消費者もより大きな恩恵を受けることになる。
ECのチャンスが増加 中小企業の障壁が減少
同協定はグローバル貿易の発展の流れにぴたりと寄り添い、さまざまな新しい貿易スタイルを取り入れており、ECはその中の1つだ。ECだけでなく、知財権、競争政策、政府調達、中小企業などの分野を含み、世界貿易機関(WTO)が規定する範囲を超える。
また消費者と域内各国からの輸入原材料・部品に依存する企業にとって、関税と非関税障壁の撤廃により、コストは大幅に低下し、利益を受けることになる。消費者は高品質・低価格の域内各国の製品を購入できるようになり、中小企業は域内各国からの輸入のハードルが大幅に低下する。運営モデルでは、協定加盟国の物品貿易全体の開放レベルは90%を超え、WTO加盟国の開放レベルをはるかに上回る。投資では、同協定はより効率的なネガティブリストの方式を採用して、投資参入交渉を行う。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年11月16日