ほかにも、「銀行口座の残高もデジタルではないのか?デジタル人民元とどう違うのか?」と聞く人もいるだろう。簡単に言うと、デジタル人民元は通貨であり、お金だが、銀行口座上の残高は預金だ。預金に対し、銀行は関連規定に従って利息を払う。しかしデジタル人民元は現金と同一であるため、デジタル人民元ウォレットの中のデジタル人民元には利息がつかない。
では、デジタル人民元と微信支付(WeChat Pay)や支付宝(アリペイ)など決済ツールとはどう違うのか?中国人民銀行デジタル通貨研究所の穆長春所長は、「微信支付と支付宝は金融インフラであり、『ウォレット』だ。それに対しデジタル人民元は決済ツールであり、『ウォレット』の中身に当たる。デジタル人民元の発行後も、微信支付や支付宝で決済ができる。『ウォレット』に入れられる中身に中央銀行発行の通貨が加わるということにすぎない」と説明する。
将来デジタル人民元が発行された後、その交換は無償で行われることになる。この点について穆副所長は、「デジタル人民元は非営利性のものであり、社会効率と福利の最大化を追求しているため、人民銀行は無償のデジタル人民元価値移転体系と金融インフラを構築し、発行側から流通費用を徴収せず、商業銀行も顧客からデジタル人民元交換の際のサービス料を徴収しない」と説明している。(編集AK)
「人民網日本語版」2020年11月20日