大リーグのマリナーズがソフトバンク・城島健司捕手（２９）の獲得に乗り出すことが２１日、明らかになった。城島は日本シリーズ終了後にＦＡ宣言し、大リーグ移籍を目指すことが濃厚。正捕手不在で２年連続地区最下位のマ軍はＦＡ宣言を待って正式に獲得へ動く。日本人捕手のメジャー挑戦は初となるが、メジャー数球団の争奪戦に発展する可能性もある。

　マリナーズは城島のＦＡ宣言に備えて、水面下で調査しており、打撃力だけでなく、強肩、リード面でも守備でも高い評価を下している。ある大リーグ関係者も「城島は９５％、シアトルに行くだろう」と発言。マ軍はこれまでもイチローを筆頭に、佐々木、長谷川、木田と日本人選手が多く在籍。言葉の壁についても、クリアできると判断している。

　マ軍は９０年代後半から正捕手を務めてきたウィルソンの衰えが目立ち、今季限りで引退。代わって正捕手と期待したオリボが打率・１５１、５本塁打、１８打点と振るわず、７月末にジャイアンツからトレードで獲得したトレアルバも打率・２４１と期待を裏切った。２年連続で地区最下位に沈んだチーム再建にはバッテリー強化が急務で、城島をリストアップした。

　左脛（けい）骨骨折で現在、長崎・佐世保市内でリハビリ中の城島はこの日「まだ、何も決まっていない。監督にも（角田）球団代表にも会っていない」と現時点でメジャー挑戦か残留かの決断を下していないことを強調した。しかし、交渉役を務めている角田球団代表は「彼には（米国に）行きたい意思、夢、権利があり、それをこちらも聞かないといけない」と慰留は難しい状況であることを認めた。

　城島は２７日にも王監督と会談し、大リーグ挑戦の意向を伝えると思われる。代理人はカージナルス・田口と同じアラン・ニーロ氏が有力との情報もある。日本シリーズ終了後に正式表明となるが、日本人捕手初のメジャー挑戦だけにマ軍以外にもメジャー数球団が獲得に乗り出すことが予想される。

　≪メッツ、ドジャースも≫走攻守３拍子そろった城島だけにマリナーズ以外にも獲得へ動く球団は出てくる。中でもメッツは今季１１３試合に出場した正捕手のピアザがＦＡで移籍することが確実。２番手以降の捕手も思うように育っていない現状から獲得へ動くのは必至でマリナーズにとっては大きなライバルになる。ドジャースも石井（メッツ）との開幕直前トレードで獲得したフィリップスが、打率・２３８の上に盗塁阻止率も低く期待を大きく裏切っただけに名乗りを上げる可能性がある。ソフトバンクが業務提携を結ぶレッドソックスには中心選手、バリテックがいるだけに今回は見送りそうだ。