マンションなどの耐震構造計算書偽造問題で、姉歯秀次・1級建築士(48)が96年から設計にかかわった件数は、偽造が発覚した21件を含め22都府県で計194件とみられることが、千葉県の調べで分かった。県は21日、国交省に報告するとともに各自治体に情報提供する。
姉歯建築設計事務所は偽造発覚分以外で、過去5年間で約90件の設計にかかわったとされ、国交省が千葉県に調査を要請していた。194件の内訳は、東京都72件▽千葉県34件▽神奈川県21件▽愛知県9件--など。同事務所は建築士法で義務付けられた帳簿書類を作成しておらず、スケジュール帳での確認にとどまったため、所在地が正確に把握できたのは3分の1程度。市町村までしか分からなかったり、全くの所在不明も20件あるという。また、千葉県分ではマンション以外に、住宅、寺、携帯電話用鉄塔などもあった。
姉歯建築士は県に「21件以外に偽造はない」と話している。また県は、同事務所の登録を取り消す方針を固めており、月内にも聴聞会を開く。【森禎行】