姉歯(あねは)建築設計事務所(千葉県市川市)によるマンションなどの耐震データ偽造問題で、工事の大半に関与したとされる熊本県八代市の「木村建設」(木村盛好社長)が資金繰りの悪化から、民事再生法の適用申請を検討していることが分かった。同社役員が21日、毎日新聞の取材に答えた。
役員によると、同社は同日、1回目の不渡りを出した。「(偽造問題に絡む)一連の騒ぎで工事代金などの入金が不透明となった」としており、同法の適用申請について弁護士と協議を始めたという。
木村建設は、姉歯事務所が計算書を偽造した完成済みマンション14棟のうち11棟で、設計や施工を担当し、姉歯事務所に構造計算を依頼していたことが分かっている。役員は「姉歯が偽造しているとは思っていなかった」と偽造への関与は否定している。
木村建設は全国でマンションやホテル建設を手がけている。05年6月期の建築工事施工額は前期比約24億円増の約123億8000万円で、熊本県の地場建築会社でトップクラスの規模。