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サッカーW杯:ポーランド出身の独選手が祖国と決戦へ

【ボン篠原成行】「クリンスマン(現ドイツ代表監督)体制でのポーランドの攻撃」。コスタリカとの開幕戦で4点を挙げたドイツ攻撃陣を、地元紙はこう表現した。ミロスラフ・クローゼ選手(28)とルーカス・ポドルスキ選手(21)。ポーランド出身のFWが、14日夜(日本時間15日未明)の1次リーグ第2戦で祖国との決戦に挑む。

 ポーランドは、ヒトラー支配のドイツに1939年9月侵攻された。これがきっかけで第二次世界大戦が始まった。直後にソ連の侵攻も受け、独ソ両国に分割占領された経緯がある。ベルリンの壁崩壊後、ドイツは近隣国から多くの人々が移り住んだが、両選手も幼いころ、ポーランドから家族とともに移ってきた。

 小学4年で移住したクローゼ選手はドイツ語が話せず、2年のクラスへの編入を強いられた。常に外国人扱いされ、サッカーをしている時だけ、自由を感じたという。

 国内リーグのブンデスリーガー下部組織で才能を見出され、01年3月に代表デビュー。W杯日韓大会ではハットトリックを含む計5得点を決め、脚光を浴びた。開幕戦でも、期待通り2ゴールをたたき込んだ。

 ポドルスキ選手は、3歳の時に移住。父親が元ポーランドのサッカー選手だった影響で、幼いころからボールに親しみ、早くに才能を開花させた。04年6月に代表デビューすると、華麗なテクニックと端正な顔立ちで注目を集め、「ポルディ王子」の愛称を与えられた。開幕戦では強烈なミドルシュートを披露した。

 ポーランドとの対戦についてクローゼ選手は「祖国の人の前でプレーできることを楽しみにしている」。ポドルスキ選手は「自分にとって両方が祖国。一緒に決勝トーナメントに行きたい」と活躍を誓った。

毎日新聞 2006年6月14日 11時09分

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