【ボン小坂大】日本サッカー協会の川淵三郎会長は15日、国際サッカー連盟(FIFA)が1次リーグF組のオーストラリア・日本戦(12日、カイザースラウテルン)で「誤審があった」と指摘したことについて「あの場面のPKは明らかだったが、そういうこと(誤審)を含めて『サッカー』だから」と述べ、受け入れる意向を示した。
FIFAが誤審と指摘したのは、後半に日本が1-1に追いつかれた直後、駒野(広島)がゴール前で突破して、ケーヒルに倒された場面。「主審のミスは明確」との判断を示して、エジプト人の主審は、次戦は主審を援助する第4の審判を務めることになった。
FIFAの定める競技規則では「プレーに関する事実についての主審の決定は最終である」とある。日本が抗議なりの行動を起こしても、判定は覆らないため、競技規則の精神を尊重した。
一方で、規則では「その決定が正しくないことに気付いたとき、または主審の判断によって副審の助言を採用したとき、決定を変えることができる」とも付記している。今回の大会は主審のミス対して周囲の指摘を促すため、主審と副審と同じ大陸連盟で主審・副審のチームを組みコミュニケーションを図ることにしている。今回のケースでは副審からも指摘はなく、試合の時点でも決定が覆えることはなかった。川淵会長は「FIFAが誤審を認めるのは珍しいが、今ごろ言われても仕方ない」と話した。
審判の判定に対して、批判的な発言が多いジーコ監督は、この件で「PKなら試合の状況は違っていた」と、納得がいかない表情だった。
毎日新聞 2006年6月16日 9時36分