日本三名泉の一つとされる有馬温泉(神戸市北区)にある六つの旅館やホテルが別の泉源を無許可で利用していたことが8日、分かった。このうち一部の施設では別の泉源を利用していることを掲示していなかった。また湯を販売した神戸市も各施設の利用許可の有無を確認していなかった。
神戸市や有馬温泉旅館協同組合によると、利用していたのは、神戸市が所有する同区の市立フルーツフラワーパークの泉源。温泉法は、泉源の利用に自治体の許可が必要と定めており、神戸市は同日までに、有馬温泉観光協会を通じて利用許可申請を出すよう注意喚起した。
有馬温泉では、12施設が利用する「極楽泉源」(神戸市所有)で2012年夏ごろに湯量が減り、改修工事を実施。昨年5月からは不具合で停止するなど不調が続いており、湯量不足のため、複数の施設でパークの泉源を利用していた。
神戸市と観光協会は、パークが開業した1993年に、改修工事などで湯が不足した場合に売買する協定を結んでいる。13年度は有馬温泉の13施設に販売していたが、利用許可があったのは7施設のみだった。14年度も11施設に販売し、4施設が無許可利用だった。
有馬温泉旅館協同組合の増田晴信理事長は「認識が甘かった。速やかに利用許可を取るよう各施設に指示した」と話した。市の担当者は「各関係課が連携して、利用許可の有無などの確認作業を強化したい」と話した。〔共同〕