和歌山県紀の川市の住宅地で市立名手小5年、森田都史君(11)が刺殺された事件で、県警岩出署捜査本部は7日、殺人容疑で逮捕した中村桜洲容疑者(22)の自宅から押収した刃物は3本で、いずれも刃体が約40センチのなたのようなものだったと明らかにした。
捜査本部によると、3本は中村容疑者の自室の衣装ケースに衣類などと一緒に入っていた。見た目には血痕は付いていなかったが、事件に使われた可能性があるとみて、詳しい鑑定を進める。中村容疑者は容疑を否認しているという。
なたのような刃物はいずれも厚さが最大1センチほど。3本のうち2本は先端がとがり、残る1本は丸みを帯びていた。
中村容疑者の自宅から作業用ゴーグルが押収されていたことも判明。現場付近では、これと似た作業用ゴーグルのようなものを着けた男が逃走するのが目撃されている。
司法解剖の結果、森田君の死因は失血死で、ほぼ即死だったとみられ、頭や胸、両腕に計10カ所近い傷があった。
中村容疑者がOBとして顔を出していた地元の剣道クラブには森田君も約2年前まで在籍しており、捜査本部は2人に接点がなかったか調べる。
中村容疑者は7日、派遣された弁護士と約1時間接見した。弁護士によると、うつむき加減で疲れた様子を見せ、刑事弁護人の選任手続きの説明を受けた。
捜査本部は7日午後、約5時間にわたり、中村容疑者の自宅の現場検証と家宅捜索を実施した。これまでに刃物3本のほか、衣類やニット帽、パソコンなどを押収した。〔共同〕