【アンマン=共同】ヨルダンと米国の当局者は9日までに、アラブ首長国連邦(UAE)がヨルダンの基地を出撃拠点として、過激派「イスラム国」に対する空爆を数日中に再開すると述べた。ロイター通信などが伝えた。UAEのF16戦闘機の飛行部隊が8日、ヨルダンに到着した。
UAEは米国主導の有志国として空爆に参加していたが、昨年12月、ヨルダン軍パイロットがイスラム国に拘束されたのをきっかけに停止。ヨルダンがパイロット殺害への報復として空爆を強化したのに合わせ、UAEも再開する形となる。
イスラム国支配地域により近いヨルダンから出撃することで飛行距離が大幅に短縮され、より効率的な作戦が可能になるという。6日の米紙ワシントン・ポスト電子版は、UAEの空爆再開はパイロット殺害への怒りが要因だとする米国務省高官らの見方を伝えた。
ヨルダンのメディアによると、ヨルダン空軍司令官は8日の記者会見で、パイロット殺害への報復として5日から3日間実施した集中的な空爆により、イスラム国の司令部、訓練施設、武器庫など計56拠点を破壊し、所期の目的を達したと発表した。