16日午前の東京外国為替市場で円相場は続伸した。12時時点は1ドル=118円58~62銭近辺と前営業日17時時点に比べ29銭の円高・ドル安水準で推移している。前週末13日のニューヨーク市場は、市場予想を下回る経済指標の発表を受けて円買い・ドル売りが優勢となった。海外の流れを引き継ぎ、東京市場も円相場は強含んだ。早朝4時前には一時118円11銭近辺まで円相場が上昇した。
半面、前週末の米株高を受けた日本株の堅調な値動きが円の上値を抑えた面もあるようだ。日経平均株価は午前、1万8000円台に乗せて約7年7カ月ぶりの高値水準で推移した。将来的な日米金利差の拡大見通しが根強いことも円買いの勢いを鈍らせた。
内閣府が8時50分に発表した2014年10~12月期実質国内総生産(GDP)速報値は、個人消費の伸びの鈍さなどから前期比の年率換算で2.2%増と市場予想を下回った。発表を受け、円は一時的に買いが強まったが値動きは小幅にとどまった。
9~12時の円の高値は118円54銭近辺、安値は118円78銭近辺で、値幅は24銭程度だった。きょう16日は米国がプレジデントデーで全市場休場となるため、方向感が出にくいとの指摘が出ている。
円は対ユーロでも続伸した。12時時点は1ユーロ=135円38~41銭近辺と同48銭の円高・ユーロ安水準で推移している。対ドルでの円買いが対ユーロにも及んでいる。16日は、2月末に期限を迎えるギリシャ金融支援の見直しを協議するユーロ圏財務相会合が予定されており、積極的な売買を手控える関係者もいるようだ。
ユーロは対ドルで反落した。12時時点は1ユーロ=1.1413~16ドル近辺と同0.0016ドルのユーロ安・ドル高水準で推移している。〔日経QUICKニュース(NQN)〕