稀勢の里
大相撲の横綱稀勢の里(31)=本名・萩原寛、茨城県出身、田子ノ浦部屋=が東京・国技館で行われている初場所6日目の19日から休場することになった。5日目まで1勝4敗だった。休場は昨年5月の夏場所から5場所連続。場所後の横綱審議委員会(委員長=北村正任・毎日新聞社名誉顧問)で厳しい意見が出れば、来場所は進退問題に発展する可能性がある。
悲壮感漂う稀勢の里 屈辱4敗目、下半身のもろさ際立つ
相撲特集:どすこいタイムズ
師匠の田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)が19日朝に明かした。左大胸筋を痛めたといい、「古傷に近い箇所です。まずけがを治して、稽古して、自信を取り戻さないといけない。泥臭くやって上がってきた男。体も、心も、作り直してこないといけない」と話した。
稽古量に自信を持って臨んだ今場所だが、初日に新小結貴景勝に敗れると、3日目からいずれも平幕の逸ノ城、琴奨菊、嘉風に続けて苦杯を喫した。3日連続の金星配給は先場所に続く屈辱だった。
横審の北村委員長は場所前、稀勢の里が仮に全休してもまだ進退問題には発展しない、との見解を示していた。しかし一方で、星勘定が悪くなってからの途中休場は印象が良くないとの認識だった。
左腕に大けがを負いながら逆転優勝した昨年春場所からまもなく10カ月。その間、秋場所以外は初日から出場に踏み切り、いずれも途中休場に追い込まれている。武器だった左おっつけに力強さは戻らず、左足首にも痛みを抱える。
横審の内規は横綱の休場が多い場合、「激励、注意、引退勧告等をなす」と定めている。