【ブリュッセル=御調昌邦】欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は18日、域内の株式・証券市場などの垣根をなくす「資本市場同盟」の基本方針を発表した。欧州は企業金融の銀行依存が大きく、米国のように資本市場を発達させて調達源の多様化を狙う。今夏に具体的な行動計画をまとめ、2019年までに実行に移す考えだ。
今回は国際的な投資への規制撤廃や、金融サービスに対する統一規則の策定などの基本方針を示した。早期に取り組む分野として、企業が有価証券を売り出す際の目論見書の規制見直しと証券化の推進を挙げた。今後関係者から意見を聞いたうえで、具体的な政策を検討していく。
欧州委は「EUのベンチャーキャピタル市場が米国と同じくらい発達していれば、欧州企業は08~13年に900億ユーロ(約12兆円)以上を利用できていた」と指摘した。