宮城県沖で2013年6月、マグロ漁船「第7勇仁丸」とマーシャル諸島船籍の自動車運搬船が衝突し、転覆した勇仁丸の船長が行方不明になった事故で、運輸安全委員会は26日、にわか雨の影響などで双方が相手船の接近に気付かなかったことが原因とする調査報告書を公表した。
事故は13年6月23日午前9時44分ごろ、同県石巻市金華山の南東約300キロ沖で発生。勇仁丸の右舷中央付近に運搬船「NOCC OCEANIC」の船首部分が衝突。勇仁丸は船体が2つに割れて転覆した。
報告書によると、現場は当時、にわか雨が降っており視界が約30メートルと極めて悪かった。運搬船のレーダーは電波が雨に反射して十分に機能していなかった。勇仁丸のレーダーも同様の状態だったとみられる。勇仁丸では甲板員が目視確認もしていたが、運搬船が見張り室の死角となる方向から近づいたため気付かなかった。