大阪空港で2013年5月、日本航空グループのジェイエアが運航する小型ジェット機、ボンバルディアCRJ200のエンジンから出火したトラブルで、運輸安全委員会は26日、エンジン内部の配管のナットが緩み、漏れた燃料が発火したことが原因とする調査報告書を公表した。
安全委は、不適切な整備が燃料漏れを招いたとして、担当したIHIにナットの締め付けなどの作業体制を再点検するよう安全勧告した。
トラブルは13年5月6日午後0時15分ごろ発生。着陸後に誘導路を走行中、機体後部の右エンジンから火が出た。乗客乗員55人にけがはなかった。
報告書によると、右エンジンの燃料噴射ノズルにつながる18本の配管のうち1本で接続部のナットが緩んでおり、少量の燃料が漏れてエンジンの熱で発火した。整備時にナットの締め付けが不十分だったため、エンジンの振動などによって徐々に緩みが進行した可能性があるという。
国土交通省の指示で、ジェイエアなどが同型の13機を点検したところ、IHIの同じ工場で整備した別の3機でもナットの緩みが見つかった。
安全委は、機長らが火災の警告メッセージが出た後も走行を続け、消火作業を始めるまで2分以上かかったことなどについて「危険を招く行為で、根底に危機意識の低さがあった」と指摘。ジェイエアに火災発生時の訓練見直しなどを求めた。