宇部興産は26日、山本謙代表取締役専務執行役員(61)が4月1日付で社長に昇格する人事を正式発表した。竹下道夫社長(64)は会長に就く。山本氏は都内で開いた記者会見で「化学事業は今後も主力だ」と強調し不振の同事業のテコ入れを急ぐ考えを示した。
山本氏は宇部興産で初の機械部門出身の社長となる。同社は主力製品のナイロン樹脂原料が海外勢との競争激化で収益が低迷している。リチウムイオン電池材料も電気自動車(EV)向けなどの需要が伸び悩み気味。2015年3月期の連結純利益は前期比1%減の見通しだ。山本氏は付加価値の高い樹脂の販売を増やすなどして、化学事業の立て直しを進める。
山本 謙氏(やまもと・ゆずる) 77年(昭52年)京大院修了、宇部興産入社。03年執行役員、10年専務執行役員、13年代表取締役。広島県出身。