川崎市川崎区港町の多摩川河川敷で中学1年、上村遼太君(13)の遺体が見つかった事件で、川崎署捜査本部は27日午後、いずれも17歳の少年2人を殺人容疑で逮捕した。同日午前に逮捕した18歳の少年とともに取り調べを本格化させ、事件の全容解明を目指す。全員否認している。
捜査本部によると、18歳の少年は「何も言いたくありません」と供述。17歳の2人はそれぞれ「殺していません。近くにいただけ」「殺した覚えもない」と話している。捜査関係者によると、17歳のうちの1人は「殺害したのは18歳の少年」という趣旨の話もしているという。
3人の逮捕容疑は20日午前2時ごろ、川崎市川崎区港町の多摩川河川敷で、上村君の首などを刃物様のもので突き刺すなどして出血性ショックにより殺害した疑い。
捜査本部などによると、少年3人は地元の顔見知り。17歳の少年のうちの1人と18歳の少年が同じ中学校出身の同級生。別の17歳少年は1学年下で別の中学校を卒業した。18歳の少年は半年前に高校を退学していたことが分かった。
上村君は今年に入り、一緒に遊ぶなどしていた18歳少年のグループから暴力を受けていると友人に打ち明け「殺されるかもしれない」と漏らしていたことが、この友人への取材で分かっている。18歳の少年はリーダー的な存在だった。
この少年の父親は逮捕前、弁護士を通じて「事件には関わっていない。(上村君と)面識がなかったわけではないので、事件の解明に誠実に協力したい」とのコメントを出した。少年は27日、弁護士とともに署に出頭、取り調べではうつむいているという。
17歳の2人は26日から27日にかけ事情聴取を受け、いったん帰宅後、逮捕された。〔共同〕